働き手が介護業界を「選ばない」ワケ
1.現場のイメージの悪さ
重労働
介護職はとにかく大変というイメージが強いでしょう。
2019年のリクルートの調査結果によると、約2人に1人が介護サービス業に「体力的・精神的な負担が大きい」という印象を持っていることが分かります。
表:介護業界への就業をためらう理由(複数回答あり)
1位 | 体力的にきつい仕事の多い業界だと思うから | 49.8% |
2位 | 精神的にきつい仕事の多い業界だと思うから | 41.8% |
3位 | 給与水準が低めの業界だと思うから | 31.2% |
4位 | 離職率が高い業界だと思うから | 24.2% |
参考:リクルートキャリア
人間関係
介護・福祉の現場では、10代から60代まで幅広い年齢層の方が働いています。当然、年代が違えば仕事観やモチベーションも異なってきますし、意見が衝突してしまう恐れもあります。
上司や同僚との関係が悪化すると、本来ならばやりがいのある楽しい仕事も、辛くストレスに感じてしまいます。さらに、利用者によっては、こちらの言うことを聞いてくれなかったり、何度も同じ説明が必要だったりすることがあります。忙しい毎日の中でそういったことが積み重なると、ストレスを感じざるを得ません。訪問介護ではなく介護施設で働くスタッフにとってはとりわけ、人間関係が円滑かどうかは非常に重要なことなのです。
表:平成30年度 全介護労働者の年齢構成
20歳未満 | 20〜29歳 | 30〜39歳 | 40〜49歳 | 50〜59歳 | 60歳以上 |
0.4% | 9.2% | 18.7% | 25.1% | 22.2% | 21.6% |
参考:公益財団法人 介護労働安定センター
Q:これまで介護の職場で人間関係の悩みはありましたか?
→現役介護職員のうち約8割が悩みを抱えていたと回答しています。
あった | なかった |
83% | 17% |
出典:ソラジョブ介護
労働環境
特に昨今の情勢では、安全面や衛生面でも心配の声が高まっています。今一度施設の安全が行き届いているか再確認する必要があるかもしれません。
介護施設を不安視する声

大学に入ってから介護のアルバイトをしようと思ったけれど、施設の見学に行ったらトイレ掃除用の手袋したままあちこち触っていて…凄く不安になったので躊躇してしまった。

コロナ対策の為の衛生用品も、数の関係で使い回しせざるを得ない。それでも、人は足りないから長時間働かないといけないのでしんどい。
2.待遇
低賃金
2020年の介護福祉士(正社員)の平均年収は約313万円であり、日本の平均年収と比較して低い傾向があります。重労働に対する賃金としては適切でないという印象を受ける人も少なくありません。
表:介護福祉士の賃金情報
正社員 平均年収 | アルバイト・パート 平均時給 | 派遣社員 平均時給 | |
介護福祉士 | 約313万円 | 約1042円 | 約1339円 |
全国平均 | 約350万円 | 約1043円 | 約1289円 |
参考:求人ボックス / 国税庁 民間給与実態統計調査
有給休暇・残業
2019年4月より施行されている「働き方改革関連法」では、一定の有給休暇取得の義務化・時間外労働の規制をおこなうなど、どの職種においても働き方を見直す流れが強まっています。
昔よりも比較的取りやすくなった有給休暇ですが、人手不足の現場ではやはり抵抗が拭えない部分も多いでしょう。充実した休暇制度をアピールすることで、求人をさらに魅力的なものにすることができるのではないでしょうか。
有給休暇・残業に対する職員の声

そもそもスタッフが全然いない。基本的に現場が回らない為、休みも多くて月に3回取れれば良いほう。

タイムカードがずさんな上、サービス残業が多すぎる。そして土日に休みが取れても、仕事の電話が来てその都度出向かなければならないので休んだ気がしない…。

同意なく施設の都合で有給休暇が勝手に消化された…せめて事前に説明が欲しかった。そもそも忙しくて人もいないので、とても有給について言い出せる環境ではない。

長時間労働、休日出勤が当たり前。長期休暇や有休取得も難しい。人員不足はいつものことで、解消される目処も立っていない。職員たちは疲れ切ってしまっている。

人手不足で現場が回らず人の入れ替わりが激しい。休日出勤も残業も多い。
3.職場に求める条件との乖離
当社が運営する介護専門マガジンサイト「かいごのじかん」では、東洋大学の渡辺道代准教授が「最近の学生が求める職場の理想像」について、取材に答えてくださいました。

福祉系の学生達の就職活動で社会福祉法人のフェアがあって、そこで200近くの社会福祉法人とか出店するのですけど、法人ごとの差が分からないです。社会福祉法人のカラーと取り組みについては違いがよく分からない。今の福祉系の学生さんが何を求めているかというと、人間関係がいいとか、働きやすいとか、怖い上司がいないとか、みんなスタッフが優しいとかですね。人間関係がよくて働きやすくて、できれば土日休みたい(笑)っていうのが最近のトレンドです。ここの法人はこういうところが素敵ということがみえるといいですね。
「高齢化」は年々加速している
現場が人手不足を嘆く間にも、国内ではどんどん少子高齢化が進んでいます。国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、この20年で後期老年人口で爆発的に増加しており、将来的に「超高齢社会」となる未来は避けられないでしょう。介護福祉業界は今後も改善が必要となってきます。
人口ピラミッドの変遷
2000年
2020年
2040年
出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ
http://www.ipss.go.jp/site-ad/TopPageData/PopPyramid2017_J.html
求人を効果的なものにするには?
求人を出す前にできることがあります!様々な問題点を解決し、人材獲得への歩みを進めていきましょう。
1.「待ちの姿勢」からの脱却
何も発信せず黙って待っているだけでは人材はやってきません。働く側も、企業が打ち出している情報をもとに就職先を選びます。企業や施設側から積極的に情報発信することが重要です。
またこの時、常に最新の情報を更新するように心がけましょう。いくら最新の設備が整ったキレイな施設でも、ホームページが古いままだとガッカリされてしまいます。設備にお金をかけても、その努力が働き手に伝わらなければ人手不足も解消されず、意味のない努力になってしまいます。
PRにもしっかり注力することで、課題解決のいとぐちが見えてくるかもしれません。
2.現場の声を届ける
求人を掲載する際は、楽しくてやりがいのある職場である、ということをアピールするために、現場のポジティブな声を積極的に採用しましょう。数多の業界の中でも、介護・福祉は「やりがい」や「感謝」を身近に感じられる職業です。
介護の仕事を楽しむ人々の声

利用者が自分の声掛けで笑顔になったり、介助して落ち着いてくれたりする時にとてもやりがいを感じる。
お年寄りの気持ちになってしっかり考えて理解する。介護は、やりがいを日々見つけることが楽しい仕事。
利用者に1対1で向き合って介助し、笑顔で「ありがとう」とおっしゃっていただくたび、「頼りにしてくれている」という充実感が味わえます。
「ありがとう」と人生の先輩に言われると、こちらも笑顔になれる魔法のような仕事です!
介護職は利用者との距離が近い上に、決まった正解がない仕事。現状に満足せず、常に向上心を持ちながら働くことができる。
☆バイトルなら動画掲載・スカウトが可能!
バイトルでは文章・写真に加え、動画掲載が可能です。介護現場が笑顔とやりがいにあふれた職場であることをより効果的にアピールすることができます。
さらに、「iスカウト」「iアプローチ」という機能では、求める条件にマッチした人材”のみ”にスカウトを送ることが可能!
多くの便利ツールを駆使して適切な人材を獲得しましょう。
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