ソーシャルリクルーティングとは?メリットやSNS別の特徴、やり方、成功事例

ソーシャルリクルーティングとは

ソーシャルリクルーティングとは、TwitterやInstagramなどのSNSを活用した採用方法です。就職や転職活動が最も盛んな20代におけるSNSの利用率はほぼ100%。採用活動を行う企業の中には、この世代に積極的にアプローチをすべく、SNSでの採用活動に特に力を入れている会社もあります。

ソーシャルリクルーティングのメリット

ソーシャルリクルーティングには、若い世代へのアプローチ以外にもさまざまなメリットが存在します。SNSを効果的に活用するためにも、どのようなメリットがあるかをみていきましょう。

採用コストが低い

一般的に求人サイトや転職エージェントなどのサービスは、数十万~数百万円の費用が発生しますが、SNSは基本無料で利用できるため、採用にかけるコストを抑えることができます。特に採用費用をあまりかけられない中小企業やベンチャー企業などは、ぜひ活用したい採用活動の一つといえます。ただし運用に際しては、一定のノウハウとリテラシー、労力などは必要になります。

採用候補者とコミュニケーションを取りやすい

採用候補者と気軽にコミュニケーションが取れるのがSNS採用の魅力の一つといえます。また、SNSの投稿内容などを通して、相手の人柄やポテンシャルについても知ることができるでしょう。これは、今後のミスマッチを防ぐ意味でも有効といえます。

自社を知らない求職者にアプローチできる

SNSには発信力と拡散力があります。そのため、自社を知らないユーザーにも投稿の拡散により、アプローチできる可能性があります。潜在層の目に触れる機会が増加するため、結果的に採用候補者を増やす効果を期待できます。

ソーシャルリクルーティングに活用できるSNSの種類と特徴

ソーシャルリクルーティングを取り入れる際は、利用するSNS選びも重要です。各SNSのユーザー数や特徴、利用している年代などを知り、自社のターゲット層と相性が良いかを確認しましょう。

Twitter

Twitterの特徴は、高い拡散力です。膨大な情報の投稿がタイムライン上に流れていくため、投稿タイミングの検討や回数を考慮する必要があります。今までは1投稿につき140字の制限がありましたが、2023年1月から有料サービス「Twitter Blue」に登録すれば、長文の投稿が可能です。20~40代のユーザーが多く、月間アクティブユーザー数は約4,500万人です。

Facebook

Facebookの特徴は、学校や職場などで直接の面識があるつながりが多いことがあげられます。投稿については、進学や結婚、転職などのライフイベントの報告や、自身の事業に関する投稿が多い傾向があります。30~50代のユーザーが多く、月間のアクティブユーザー数は約2,600万人です。

Instagram

Instagramの特徴は、世界観が作られた写真や動画、イラストなどの投稿が多いことがあげられます。また、画像やハッシュタグ検索により情報収集ができるのも、他のSNSと異なります。ユーザーの多くは女性で、特に10~30代によく利用されています。月間アクティブユーザー数は約3,300万人です。

LINE

LINEは、日本国内で最もユーザー数の多いSNSで、他と比較してアクティブ率が高い特徴があります。日常的に使用されているアプリなので、配信時間と頻度については考慮する必要があります。利用ユーザーは10~60代と幅広い世代で、月間アクティブユーザー数は約9,300万人です。

LinkedIn

LinkedInは、世界最大級のビジネスSNSです。実名登録が前提であり、学歴や職歴、役職などについても記載するのが一般的です。国内登録者ユーザー数は約300万人と他SNSと比較すると少ないですが、海外の登録ユーザーは約8億人以上のため、グローバル採用を行いたい企業は、ぜひ活用したいSNSといえます。

ソーシャルリクルーティングのやり方

ここからは、ソーシャルリクルーティングのやり方を紹介します。更新頻度や投稿内容など、事前にルール化したい運用方法についても詳しく触れていきます。

1. 利用するSNSを決める

ソーシャルリクルーティングでは、自社が求めるターゲットやペルソナが利用しているSNSを選択しましょう。例えば、女性向けのコンテンツであればInstagram、働く世代に広くリーチしたいのであればTwitterなどを活用するのがおすすめです。

2. 運用方法を決める

SNSを運用するにあたり投稿の更新頻度や内容、返信やコメントのチェックなど、アカウントの管理体制やルールを事前に決めておくことが重要です。

更新頻度

SNSによっては投稿が少なすぎると発見性が減ってしまい、逆に多すぎると煩雑にみえてしまうことがあります。更新頻度は1週間に1~3回程度、継続的に行っていくのがおすすめです。

投稿内容

SNSでの投稿内容は、統一性や一貫性を持たせるとよいでしょう。企業のブランドイメージに合わせた内容で、運用メンバー間で目的の認識合わせをしておきます。その上で、求人広告やサイトには載っていないような社員のリアルな風景などカジュアルな投稿をすると、ユーザーに親近感を持ってもらいやすくなります。例えば、イベント開催や日常の風景などの様子を写真や動画を用いて伝えると、求職者に興味を持ってもらうきっかけになります。

求職者への返信のタイミング

基本的には、求職者からのコメントやメッセージにはできるだけ早く返信しましょう。とはいえ、深夜や早朝などに返信するのは、労働環境がブラックな印象を与えかねないので避けましょう。退勤後の返信は、出勤後すぐの9~10時に返信するなど、ルール化にしておくと運用しやすいです。

3. 採用候補者とコミュニケーションを取って選考に進む

気になる人材が見つかったら、積極的にコミュニケーションを取りにいきましょう。その中で、お互いの価値観や認識をすり合わせていくとよいでしょう。また、定期的な投稿をしていくと認知度が上がり、求職者からの問い合わせも増えることが期待できます。最初は反応が少なくても、継続的に運用していくことが重要です。

ソーシャルリクルーティングを行う際の注意点

SNSは拡散性が非常に高いので、投稿内容によっては炎上のリスクがあります。あまり過剰に恐れる必要はありませんが、どういった発信をするのか、どういった投稿やリプライはNGなのか、あらかじめガイドラインを作成しておくのがおすすめです。なお、担当者一人での投稿はリスクが高いため、チェック体制は必ず複数人で行うなど、投稿前に多面的な視点で確認できるような体制を整えておくとよいでしょう。

ソーシャルリクルーティングは、短期間での効果はあまり期待できません。継続的な発信に加え、配信内容を分析、工夫しながら運用をアップデートし、効果を高めていきましょう。

ソーシャルリクルーティングを活用している企業の成功事例

ソーシャルリクルーティングはアカウントを作成し、発信するだけでは効果を得られません。SNS選びや魅力的なコンテンツの発信が不可欠です。最後にソーシャルリクルーティングを活用している企業のなかで、お手本にしたい成功事例を紹介します。

スターバックス

ソーシャルリクルーティングを活用している企業として最も有名な企業の一つが、大手カフェチェーンのスターバックスです。Facebook上で採用アカウントを運営しており、企業カルチャーやスターバックスのスタッフから求職者への熱いメッセージなどが投稿されています。企業を身近に感じてもらえるコンテンツを配信することで、求職者を惹き付けています。

ソニーミュージック

ソニーミュージックグループでは、TwitterとInstagramアカウントをそれぞれ運用しています。Twitterではグループ内の最新の採用情報を掲載し、Instagramでは社員の日常風景の写真を投稿されています。各SNSの特徴に合わせた投稿内容で、効果的に採用促進ができています。

ソーシャルリクルーティングを取り入れてみよう

ソーシャルリクルーティングは、若い世代や潜在層へのアプローチに有効な採用方法です。熱量を込めたコンテンツや社内の日常風景の発信で求職者との接点を増やし、採用候補者とカジュアルなコミュニケーションをとりながら、採用活動を進めましょう。